過食嘔吐:過食欲求・吐く欲求の治し方

質問 by hanaさん:

泉先生、アドバイスをありがとうございます。

両親にまかせて、お弁当を買ってきてもらい、
それを残さず食べる様にしました。

そして、決められた時間に3食と間食を摂っています。
体重も増えつつあります。

ただ、過食嘔吐は変わらずにあります。
痩せたくはないので食事の前や、
嘔吐した後は必ず、ご飯を食べるようにしています。

大量に食べたくなる。
そして嘔吐したくなるのは何故でしょうか。

疑問を抱きながらも、食事はきちんと摂っています。
今までにない、その矛盾が良く分からずに混乱しています・・・。

ちーひめ注:

参考に以前の質疑応答を読みたい方は
以下のリンクをクリックしてみてくださいね。
過食嘔吐:自炊する人へのアドバイス


泉先生のお答え:

前回、hanaさんのご質問そのものに
答えさせていただきましたが、
過食症を治す順序として一番最初に取り組むべきは、
嘔吐を止めることです。

今なお嘔吐したくなる理由としては、
ひとつには習慣になっている側面もあります。

しかし、その根本にあるのはやはり太りたくない、
あるいは痩せたいという思いがある場合が大部分です。

もし今行っている嘔吐が、
食事に伴ってどうしてもむかつきなどがきて
思わず吐いてしまうというようなものであるなら、
食前に制吐剤と安定剤を服用すると、
そうした症状はぐっと軽減して、
吐くことを防げるようになります。

一方、指を突っ込むなどしてはいてしまう場合には、
やはりそれ相応の取り組みが必要です。

吐くのを止めるということは、
やろうと思えばやることができますし、
やれないと思えばやれないのも事実です。

すなわち、
誰でも吐くのを止める力は持っているのです。

実際、私のところの病院では入院すると同時に、
殆ど全ての人が吐くのを止めることができます。

これはその人自身が実は
吐くのを止める力を持っていることを意味します。

しかし、実際はなかなか難しいところもある。
これは吐くのを止める力を持っていても、
その力を引き出すのが難しいということです。

力がないわけではありません。
力を引き出すのが難しいのです。

では、吐くのを止めるためには
具体的にどのような取り組みを行うべきか。

まず第一にやってみることは、
食後1時間は絶対にトイレなど吐く場所には行かず、
その場で過ごすようにすることです。

これだけでも大分、吐く傾向が和らいできます。

次にどうしても止められない場合には、
もっと厳しい取り組みが必要になります。

これは入院治療などで行った方がより有効ですが、
自宅でも可能です。

まず食事を一切止めて、
一日の食事を全て栄養剤のみにするのです。

栄養剤のみとして、
食後1時間は絶対にトイレなど
吐く場所には行かないようにするのです。

栄養剤は非常に吸収が早いので、
実際それだけの時間を経過すると吐くにも吐けません。

こうして一旦、吐く習慣を断ち切るのです。

大体3週間程度これが実行できたら、食事に戻してみてください。
心構えにもよりますが、概ね吐くことが収まります。

さて、今なお大量に食べたくなるということですが、
これはやはり嘔吐していることによって、
必要なカロリーを取れていないか、
あるいは必要な栄養素が取れていないかの
いずれかがあるのだろうと思います。

嘔吐せずに、
必要なカロリーの食事を偏りなく油物なども含めて
摂取できるようになると、
身体の欲求として起こる過食は落ち着いてきます。

必ず落ち着いてきますが、
それをより加速させたい場合には、
SSRIという過食衝動を下げるお薬を併用すると
より有効なことがあります。

hanaさんにはこの前、
尋ねられた質問だけにお答えしましたが、
今、行っている取り組みの前に、
こうした取り組みをしていただくことが大切で、
それによって徐々に治っていくことができます。

posted by ちーひめ at 11:27 | Comment(1) | 質疑応答

過食症:3食嘔吐なく摂取していますが、夕食前・深夜に過食し自発嘔吐します

質問 by hanaさん

泉先生、お返事をありがとうございます。

3度の食事は嘔吐する事無く、
内容はお弁当なので揚げ物もあり、
ご飯はお茶碗にすると1.5倍程の量があると思います。
全て完食する様にしています。

先生からアドバイスをいただき、
主人と同じ、
もしくはそれ以上の量の食事を摂っています。

食事がお腹に入っているむかつき等による嘔吐は
克服できており、3食の食事が吸収するまでは
過食嘔吐しない様にしています。

大体、深夜か夕食前の2時間程が過食の時間です。
習慣になっているのかもしれません。
長らく自発嘔吐なので簡単に考えてしまっている部分が
大きいと思います。

食事は摂っているので(吸収しているので)体は動く。
手っ取り早い方法で気持ちを切り替える・・・過食嘔吐、
となっている気がしました。

通院はしており、SSRIと睡眠薬を服用しています。

体重を計ってみたところ43sで、
これ以上増える事に抵抗はありませんでした。
先生が仰った通り、
数値より体の変化で体重の増加を感じました。

お腹周り、太ももと、ぽっこり、
ふっくらしていますが特に不快感はありません。
以前、入院した時にピッタリとした服や小さい服は
ほとんど破棄し大きいサイズの服を用意してあるので
変化に応じて着る服も変えています。

人はこんなに食べる物なんだと、
驚くと共に泉先生のおかげで「選ばずに食べる事」
が出来る様にもなりました。

(治療だと思うと罪悪感も無くすんなり食べる事が出来
るので、ありがたいと思います。)

取り組んだ事が無いのは、
一日を栄養剤で過ごす事です。
栄養剤とはエンシュアの様な物なのか、
サプリメントの様な物なのでしょうか?

また、仕事(立ち仕事で体力を使うのですが)
に差し支えは無いのでしょうか?

よろしくお願いいたします。


泉先生のお答え:

とても素直に、とてもよく頑張っておられますね。
言われてもなかなか出来ないのが
摂食障害の治療なのですが、
なかなかすごいなと思います。

さて、ご質問についてですが、
栄養剤とはエンシュアリキッドや
ラコールのようなものです。

例えば、一日にエンシュアリキッド8本(2000kcal)くらい
とっていれば、日常生活はある程度は大丈夫だろうと思います。

ただですね。
今のような食事の取り組みをどれくらいの期間、
行ったでしょうか。

もし、取り組んで1〜2ヶ月経過し、
なお言われるような過食と自己誘発性嘔吐があるのであれば、
身体的な要因によるものではなく、習慣的なものであり、
心理的要因が考えられます。

身体的要因によるものであれば、
今のような食事療法を行い、かつSSRIまで使っていれば、
ほぼ落ち着くものです。

けれども、それで落ち着かず、
さらに自己誘発性嘔吐をしてしまうというのは、
心理的要因によるところが大きく、
習慣性になっているところがあると思います。

よって、HANAさんの場合、
栄養剤だけで過ごすという取り組みそのものが
出来るかなあ・・・。

3食を栄養剤にしても結局、
それ以外の時間に今のように思わず食べ物に
手を出してしまい、過食・嘔吐をしてしまわないかなあ
という気もします。

全て栄養剤にするという決意によって、
それ以外の時間の食事摂取も断ち切れるとよいのですが、
成功するかどうかは50:50といったところではないかと思います。

では、他にどうすればいいのか。

それは個々に応じて、
いろいろな試みをするのですが、例えば、
過食が深夜だけに限られる場合には、
早めに睡眠薬を飲んで寝ることによって、
過食の時間をなくすということもあります。

情動の不安定さのために過食しがちである場合には、
ジプレキサ、セロクエルといった
非定型抗精神病薬の内服によって、気持ちの安定を図り、
その衝動性の緩和を試みることもあります。

あるいは、
自分の持つパーソナリティ面の課題に取り組み、
成長していく過程で自ずと
過食・嘔吐が消えていくこともあります。

いろいろな試みがありますが、
ただひとつ言えるのは、
以前にも話したかもしれませんが、
自己誘発性嘔吐というのは止めようと思えば止められるし、
止められないと思えば止められないのも事実です。

しかし、止める力を持っていることは確かですから、
そのことを知っていただいて、
嘔吐だけは絶対に止めるということに
トライしていただきたいなと思います。
posted by ちーひめ at 08:36 | Comment(1) | 質疑応答

摂食障害・過食症:過食嘔吐・不眠と薬

質問 by hanaさん:

泉先生、色々な場合についてご親切なお答えを
ありがとうございます。

今の食事がきちんと出来る様になってから、
20日程になります。

泉先生が仰った通り、
私も栄養剤以外に過食嘔吐をしてしまうと思います。

過食ではない食事の楽しみ、
食べる事の楽しみを感じ始めています。

睡眠薬を頂いているのですが、
その日によってぐっすりと眠れる時もあれば、
2,3時間で覚醒してしまう時もあります。

通院が月に一度なので、
処方できる薬も決まって来てしまうのだそうです。
次の通院時にジプレキサ、セロクエルというお薬を
聴いてみようと思っています。

うっかりゆき先生のお勧めサイトにありました、
メンタルビューティーアファーメーショントレーニングを
始めています。

自分を好きになる、肯定的な考え方になるという物で
ゆっくりと気持ちが変化していくそうです。

長い間、過食と嘔吐がセットになっているので
嘔吐を止めるには過食をしないと言う事からかな・・・
と思います。

自分の力を信じて、嘔吐しない=過食しない・・・
意識して、ではきっと駄目なのですね。
トライしてみようと思います。

泉先生のお答え:

夜の睡眠については、
頓服薬をもらって、目が覚めたときには
すぐにその頓服薬を飲んでもう一度寝るように
試みてもよいかもしれません。

ジプレキサ、セロクエルという薬については、
基本的には統合失調症という病気に使う薬です。

本当はとても優れた情動の安定作用があるのですが、
まだそのことを知っておられない先生も
多いと思われます。

主治医の先生に尋ねられるときには、
そのことも心に留めておいて下さい。

嘔吐と過食については、
やっぱり嘔吐を止めることが優先です。

もし、嘔吐を止めて過食だけをしていれば
体重が増えてしまう可能性があり、その点について、
自らの病気の心と戦わなくてはなりません。

けれども、
その病気の心に打ち勝つところに意味があるのです。

嘔吐を止めて、3食の食事をしっかりととり、
精神的に安定しているのであれば、
いずれ過食は落ち着き、そうすれば
必要なレベルの体重に落ち着きます。

それは決して肥満のレベルではなく、
健康と考えられる範囲の体重です。
病気の心に打ち勝ち、自分の人生を取り戻すために、
嘔吐を止めることにトライすることです。
posted by ちーひめ at 11:45 | Comment(2) | 質疑応答

過食嘔吐を止める:体重が増える恐怖から解き放たれるには?

質問 by maruさん:
 
過食嘔吐をやめようと決心して、2週間です。
当然体重が増えています。

152pです。41sから、今、45sあります。

すごく怖くなってきました。

どうしたらこの呪縛から解き放たれるのでしょうか。
だれか、教えてください。

毎日毎日恐怖です。

泉先生のお答え:

身長からすれば、現在は健康範囲内の体重ですね。

過食・嘔吐を止めようとして
体重が増えてきたということですが、
もともとの体重が低すぎたので、
今のところは全く大丈夫です。

不安なのはこれからでしょうが、
今後の体重や病気の回復を左右するのは、
現在の食事量です。

まず、間食はしていませんか。

間食をしていると、健康範囲内を超えて、
体重が増える可能性があります。

次に、3食の食事は摂っていますか?
それならOKです。

ただ食事量は例えば、
周りの家族と同じ量を食べていますか?

周りに比べてもあまりに多いと
体重が増えるのは当然ですが、この場合は
いずれ食事量が普通レベルになって、
体重も止まる可能性が高いと思います。

適切な食事を摂っている限り、
必ず体重は健康範囲内で止まります。

今は一時的に増えていると思いますが、
これからの数週間から1ヶ月が最も重要なところで、
耐えるところです。

その際、今後のポイントは
上記のようなところにあると思います。
posted by ちーひめ at 08:46 | Comment(5) | 質疑応答

摂食障害過食症:受験失敗引きこもり万引き過食嘔吐の娘との関わり方で悩んでいます

質問 by あおいそらさん

あおいそらの娘は、
摂食障害を患って2年ほどたちます。

大学受験は失敗。
ある時期はほとんど引きこもり状態。

毎日毎日、過食嘔吐をし続けています。

出かけるのはコンビニとスーパー。
そこで万引き。

何度も警察のお世話になりました。
その都度、号泣して「もうしません。」と。

あおいそらは、
そんな娘とどう係わっていけば良いのかわからず、
精魂疲れ果てました。

母娘の仲はとても良かったはずなのに。
どうしてこんなふうになってしまったんだろう。。。

最近は、死んでしまいたいと、
そのことばかり考えております。


泉先生のお答え:


あおいそらさん、
娘さんがそのような状況になられて、
全ての力が身体から抜けるような思いに
駆られるかもしれません。

一体、どうすればいいのか、何も見えないですものね。

けれど、死ぬくらいの思いがあれば、
過食・嘔吐を治せる可能性はあります。

詳しくお話を聞かないと、
どこから関わればいいのか
的確なことは申し上げることは出来ませんが、
こうしたときには課題をひとつずつ
順番に取り組むことが大事です。

何かひとつ課題を絞り込み、
その間はほかのことは出来なくていいとして、
そのひとつの課題だけを見つめて取り組んでいくのです。

例えばですね、この場合、
万引きを止めるということを
最初の課題にしてもよいかもしれません。

本人の「もうしません」という思いは
ある意味、本当の思いだと思うのです。

けれども、病気の自分が過食したいがために、
また万引きをさせてしまうのです。

ですから、
娘さんのこの本当の自分とお話しすることです。

具体的には、

「あなたも過食・嘔吐して、
本当にどうすればいいかわからず、しんどいよね。

思わず万引きもしてしまうし、
そんな自分が嫌になってしまっているんじゃないのかな。

でもね、あなたがどんなに自分のことを嫌だと思っても、
あなたの中にはダイヤモンドのように輝く心があるの。

そのダイヤモンドの心の力を引き出せば、
きっとこんな過食・嘔吐して、
自己嫌悪してしまう世界から抜け出して、
きっと楽しく幸せな生き方が出来るようになるわ。

だから、大変かもしれないけどね、
一緒に頑張っていこう。

まずはね、全部何とかしようと思ってはダメよ。

何事も順番があって、
順番通りにやっていけばよくなるからね。

あなたの場合、まずは
自分をコントロールする力をつけないといけない。

過食だって、嘔吐だって、
万引きすることだってみんなそう。

自分をコントロールできなくて、
やってしまっているよね。

だから、この自己コントロール力をつけるために、
万引きを止めることからやってみない?

これは犯罪にもなって人にも迷惑をかけてしまうし、
あなた自身も最も辛いところだと思うの。

だから、これからやってみましょう。

万引きするのは、過食する食べ物がほしいからよね。

もしそうであるなら、一緒に相談して
過食するために使うお金を
1日いくらまでにするかを決めましょう。

もちろん、過食には賛成してはいないわよ。

けれど、過食をやめる前に
万引きを止めることが大事なことだからね。

万引きを止めるために、
一日に過食のために使うお金を決めて、
それ以上は絶対に使わない、
食べないということを出来るようにしましょう」


このようなことを話してみて、
娘さんに金額を決めてもらうことです。

その場合、おそらくは
本当に使いたい金額より少なめに言ってくる可能性が
高いと思います。

ですから、娘さんの言ってきた金額に対しては、

「そう。じゃあ、そうする?

でも、本当はその金額では苦しいんじゃないの?

本当に出来る?

本当に出来るかな?

一応ね、あなたは○○円って言ったけれど、
○○+α円にしたらどう?」

このように話して、
少し心に余裕を持たせてあげるのです。

そして、いざ金額を決めたら、

「本当に大変かもしれないけれど、
自分で決めたことだし、
自分で決めて自分でやることで、
自己コントロール力がつくからね。

まずは1週間、やってみましょう。

そして3週間出来たら、大分、
自分でコントロールする力がついたってことになるからね。

やってみましょう」

こんなふうに話してあげてトライするとよいかなと思います。

金銭的な問題は、実際、
家計のこともあるので限界があるでしょうが、
その場合はこれ以上になると
借金しないといけなくなるから出来ないと
正直に伝えるとよいかと思います。

けれど、何とかできる範囲であれば、
治療代と思って投資することも必要かと思います。

ひとつの例えを挙げましたので、
ピントがずれていたかもしれません。

ただ治る道はまだあるということを、
少しでも感じていただければと思います。
posted by ちーひめ at 09:48 | Comment(2) | 質疑応答
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