摂食障害:セニトロン依存説について

質問 by Sarahatiさん

泉先生、初めまして。
縁あって摂食障害を真剣にみつめている者です。

すばらしいサイトに巡りあって感動しました。
一人でも多くの方にこのサイトを読んで欲しいと
心からそう思いました。

ところで、質問があります。
私もこの病気で苦しんでいる方に
少しでもお役に立てればとHPを運営しております。

そこでは先生と同じように
身体の問題と心の問題を切り離して考えているのですが、
身体の問題の一つとして、
物質依存としての側面があるという説を採用しています。

私なりに解釈して「セロトニン兄弟の話
として比喩表現しているのですが、
医学的に見てこの説はどうなのかということが
ずっと気になっておりました。

素人が生半可な知識で
余計な情報発信をするなと叱られそうではありますが、
泉先生なら私のような者にも
向き合っていただけるかも知れないと
意を決して投稿いたしました。

ご多忙中恐れ入りますが、
ご教示いただければ幸甚です。


泉先生のお答え:

SARAHATIさん、
返答が遅くなり、申し訳ありません。

少し思考を要するご質問でしたので、
平日の疲れた頭の状態ではご返事が出来ませんでした。

さて、セロトニンに依存性があるとする説は、
やはり私の知る範囲では聞いたことがないので、
この説が医学的にそう簡単に受け入れられることは
ないだろうと感じます。

ただ「セロトニン兄弟の話」の内容は、
ひとつの仮説として、ある程度のレベルながら、
話の筋が通っているところもあるような気がします。

結論としては、
SARAHATIさんも察しておられますように、
一個人が考えていることとしてはよいだろうと思いますが、
医学的に見た場合、
こうした仮説は考えられないだろうか
といったひとつの提案といったスタンスをとると
よいのではないかと思います。
posted by ちーひめ at 00:41 | Comment(1) | 質疑応答

摂食障害:体重増加への恐怖の対処法:入退院を繰り返していますが治りません。

質問 by もえさん:

私は7年間も摂食障害に苦しんでいます。
何度も入退院を繰り返していますが、
全く回復しません。

入院中は点滴やエンシュアで
ある程度は体重も回復するのですが、
退院後は再び20キロ台をキープしようと
食事制限(絶食、チューイング、嘔吐)を
繰り返してしまいます。

低体重の恐ろしさは理解出来ても、
やはり体重増加が恐怖で回復の兆しがありません。

少しでも回復のきっかけになるような
ヒントやコメントが欲しくて
メール相談させて頂きました。

私自身も意味の無い痩せ願望から逃れたいのですが、
自分の力だけではやはり抜け出せませんね。

数々の心療内科、精神科に通院しましたが、
回復傾向が表れないので宜しくお願いします。


泉先生のお答え:

いつもいつも食事や体重のことに囚われ、
本当に大変な日々かと思います。

そんな中にあっても、
何とかしたいという思いを持って、ご質問いただき、
ありがとうございます。

もえさんの症状、からだの状態からすると、
かなり厳しい状態だと思います。

しかし、これだけの状態でありながら、
治したいという思いをもって質問される
その思いの力は、とてもすごいと思います。

普通、これだけの症状とからだの状態だと
病気の心に支配されていて、
わかっていたとしてもなかなか治そうとする思いを、
このように表現できないものです。

これだけの思いを表現できるということは、
少なくとも心の面では良くなってきていると
言っていいと思います。

きっと長年、苦しまれてきた中から、
自ら成長し、掴んだものなのでしょうね。

さて、こうした場合、あと少し、
自分を後押ししてサポートしてくれる治療者がいて、
治療に臨む環境があれば、脱出できる可能性を
十分に秘めているような気がするのですが、
それがままならないのが現状だと思います。

その中で、もしトライできるなら、
行ってみてほしいことは、
パンフレットにも書かれている通り、

・ 体重測定を止めること
・ 今ちょうどサイズがあっているスカートや
  ズボンを売るか捨てるかして、もう一回り
  大きなものを買って着用することです。

何よりも、病気の心を最も強めるのは、
体重の数値であり、
ウエストで感じる体の感覚です。

もし、これが出来れば、非常にすごい前進です。
本当にすごいです。

他のことは全くしなくてかまいません。
まず、これだけやってみることが出来ればと思います。
posted by ちーひめ at 09:21 | Comment(1) | 質疑応答

過食嘔吐:自炊する人へのアドバイス

質問 by HANAさん

私は20年以上、過食嘔吐です。
入院もし、色々な治療をして来ました。

認知行動、過食の回避、嘔吐回数を減らす、
時間と過食費を決める。

今、結婚をし主人が鬱になり、
実家で働く中出来ること。

泉先生のお話を読ませて頂いて、
やはり3食摂り、目標体重をクリアする事だと思いました。
しかし、やはり病気の心があり
食べる物を制限、選んでしまう所があります。

入院中は3色昼寝付き。
しかも食事は栄養バランスが良く、
カロリーも決められていました。

これで太るのなら本望と思い、
過食嘔吐もなく過ごしていました。

退院後、自分で食事を摂る。作る。
選ぶ事の難しさを感じています。

普段の生活で、治療として3食を摂るとして、
その食事内容を決める良い方法、
アドバイスなどありましたら、
よろしくお願いいたします。


泉先生のお答え


本当にいろいろな治療をされてきたんですね。

ただこれらの治療法はいずれも、
私自身の治療では行いません。
なぜなら、あまり効果を期待できないと思われるからです。

先程、別のご質問(★)で答えさせていただいたことが
最優先するので、このご質問には
簡単にお答えさせていただきたいと思いますが、
食事の内容を決めるポイントは、そこに

自分の考えを入れない』ことです。

自分でどうしようかと考えるその瞬間に、
病気の心が作用し、全てをダメにするからです。

ですから、私の提案としては、
例えば、一週間のメニューが書いてある本に従って
ただ機械のようにそれを作って、
作ったものは全部、食べることを決める。

あるいは、
そのような本の通りにやるわけにいかないときには、
例えば、実家のお母さんとともに
一週間のメニューを作って、
後は自動的に作り、作ったものは全部、食べる。

いずれにせよ、食べるときには
例えばご主人と全く同じ量を食べるようにして、
絶対に自分だけ特別にしないことです。

また、料理をテーブルに出すとき、
真ん中に盛って取り分けるのはダメです。

取り分ける瞬間に病気の心が作用するからです。

例えば、唐揚げを作ったとしても
真ん中に盛るのではなく、ひとり5個ずつとかにして
分けるようにすることです。

簡単ですが、少し参考になればと思います。


ちーひめ注: 

(★)HANAさんの別の質問への答えを読みたい人は
   以下のリンクをクリックしてくださいね。

 過食嘔吐:自分で食事を用意する場合のアドバイス   
posted by ちーひめ at 09:31 | Comment(1) | 質疑応答

摂食障害・過食嘔吐:目標体重とは?

質問 by HANAさん:


私は20年以上、過食嘔吐を繰り返しております。
入院中はカロリー計算されており、
バランスの良い食事という事で毎食、完食。
過食嘔吐もなく5ヶ月を過ごしました。

退院して、自分で食事を選ぶ、
作る事の難しさを痛感しています。

体重は平均体重に至っておらず(160cm 41s)
泉先生のお話を読んで、何でも選ばず食べ、
目標体重まで・・・と思っています。

普段の生活で、一回分、
一人分の食事の目安や食事の摂り方に、
何か良い方法があればアドバイス頂きたいのですが・・・。
よろしくお願いいたします。


泉先生のお答え:


HANAさんには
既に二つのご質問(★)に答えさせていただいたので、
このご質問よりかはそちらを優先して
考えていただきたいと思います。

ただこのご質問の中で気になったのが、
「目標体重」です。

あまり数値を設定して、それに拘るのも問題です。

それ拘りの中に、体重を恐れる心があり、
それが病気の心だからです。

本当の目標体重は、本当は数値ではなく、
生理が戻る体重です。

身長160cmであれば、一般的に生理が戻るのに、
45〜47kgくらいは必要かなと思います。

どうしてもそれに抵抗があるとしても、
標準体重の80%程度の43kg以上は
必要だろうと思います。

ーーーーー

ちーひめ注:

他の2つの質問と答えを知りたい方は
以下のリンクをクリックしてみてくださいね。

・過食嘔吐:自炊する人へのアドバイス
・過食嘔吐:自分で食事を用意する場合のアドバイス 
posted by ちーひめ at 10:52 | Comment(0) | 質疑応答

摂食障害(拒食症・過食症)後遺症:心身への影響

質問 by 葵さん:

泉先生
摂食障害の後遺症等ついて、
一般的に書かれている骨粗鬆症、糖尿病、歯への影響以外にも
なにか情報はありますか?

数年前から調べているのですが、
食障害が治った後の人の研究はされないのか、
情報があまり見つかりません。


泉先生のお答え:

葵さんは、よく勉強されているようですね。

摂食障害の後遺症については、
葵さんも知っておられるような身体面における後遺症程度しか、
どこにも述べられていないと思います。

余計なお話かもしれませんが、
摂食障害において一番心配なのは、からだの面だけでなく、
心の面における後遺症であり、
それが人生そのものに影響を与えてしまうことです。

一時的に食べられるようになったり、
体重を戻すことができたりしても、
肥満恐怖やボディイメージの歪みのような
摂食障害の病気の心が残っていると、
しばしば再発して、慢性化していきます。

また、摂食障害を引き起こすきっかけとなった
偽りの自分の心、すなわち、
パーソナリティ面の弱さを修正できないでいると、
もちろん病気の再発もありますし、
人生そのものの生きづらさを持ち続けることになります。

ここまで視野に入れた治療というものの必要性を、
何よりも多くの方々に知っていただきたいと思います。

また、摂食障害の予後の研究については、
何をもって治ったとするかというラインを
定めるのが難しいことや、多くの場合、
治療中にドロップアウトしたり、
治療そのものにも時間を要したりしているので、
なかなかこうしたデータを集めにくいということから、
まだまだわずかしか行われていませんし、
そのデータにはバラつきがあるように思います。

さらに葵さんが言われるような
治った後の人のデータとなると、医療者にとっては、
おそらくそれを調べる必要性というか理由がないために、
おそらくそうした研究は行われていないのではないかと
推察されます。
posted by ちーひめ at 00:53 | Comment(2) | 質疑応答
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