摂食障害(拒食症・過食症)治療の病院の探し方

質問 by たえこ様

@摂食障害(拒食症・過食症)を十分に知っていて、かつ、
治療をあきらめない治療者と治療スタッフ
(看護師や心理士など)
A安心できる治療環境

この両方をみたす摂食障害治療機関を探すには
どうしたらよいのでしょうか。
情報が得られなくて困っています。

泉先生のお答え:

こうした摂食障害治療機関が必要だということは、
私自身のこれまでの治療経験と学んだ知識から
気付いたことです。

正直申し上げて、今、私自身が働いているところ以外では、
このような機関がどこにあるかはわかりません。

唯一、私の知っている範囲で
ここは絶対に大丈夫と思われるのは、
カナダにある摂食障害治療センターくらいです。

日本の機関では、
摂食障害(拒食症・過食症)の学会発表などを見ていても、
優れたところもあるようですが、
どうも治療に限界があるように見えます。

その中でも、
「摂食障害の診断と治療ガイドライン2005」(マイライフ社)の
巻末に載せられている摂食障害の専門治療機関が、
実際に受診してみて外れる可能性が低いのではないかと思います。

ご期待の沿えるようなお答えが出来ず、申し訳ありません。

こうした治療機関が少ないからこそ、
きっと救われない摂食障害の方々が
全国に多数おられるだろうと思い、
少しでもそうした方々の光となるように、また、
医療者の方々の希望と指針となるように、
このブログを出そうと思ったのです。

境界性パーソナリティ障害のブログの執筆があって、
摂食障害関係の新しい執筆が止まっておりますが、
いずれ治療の体系を全て述べていきたいと思っています。

少しでも早くみなさんのお役に立てるように、
そして、ひとりでも多くの方に
幸せになっていただけるようにと思っています。
posted by ちーひめ at 00:27 | Comment(0) | 質疑応答

摂食障害(拒食症・過食症):病院に行っても治りません

質問 By 愛さん:

摂食障害は医療機関にかかれば
「治る」ものなのでしょうか。

私は自助グループで多くの患者さんと出会いましたが、
残念ながら医療機関で治ったという人に出会ったことがありません。

回復者でカウンセラーをなさっている方もいらっしゃいますが、
彼女たちのほとんどが周囲の人の協力と
自助努力で立ち直ったと語っています。

私は20年ほど前、30kg代まで落ち込み、
両親が往診を依頼して強制入院となりました。

病院につくなり、外科の先生が
高カロリー輸液とカテーテルを入れられて
パニック状態になりました。

40キロまで増えたところで退院となりましたが、
退院後も自分を取り戻すことができずに
トンネルの中をさまよっています。

長年に及ぶつらい経験がこころの傷となって残っています。

摂食障害が雑誌やテレビなどを通じて
一般の人に知られるようになってからも、
摂食障害者に対する冷たい視線は変わらず、
有効な治療法も確立されていないように思います。

私は始めて先生の「マニュアル」を読んで、
納得できる部分もありましたが、できない部分もありました。

命の危険にさらされている本人、家族が
「良い病院を探す」というのは現状では
それほど容易なことではないと思います。

現実とマニュアルに書かれていることのギャップに
どうしても違和感を抱かざるを得ない、というのが本音です。

失礼かと思いましたが、
私の感想を書かせていただきました。


いずみ先生のお答え:

やはり、このご質問から逃げることは出来ませんね。

ですから、ここは医者という立場を捨てて、
ひとりの患者さんの立場に立たせていただいて
お答えさせていただきます。

“医者という立場を捨てる”というのは、
もしこのようなことを述べると、
「奢り高ぶっていると思われないだろうか」
「他の医療者の反感を買うのではないだろうか」
というこうした思いを断ち切るということです。

ここでは、私個人の率直でかつ、
あくまで主観的な考えを伝えたいと思います。

摂食障害は医療機関にかかれば治るものかと言えば、
必ずしもそうはいえません。

このブログの中でも書いていますように、
その治療が本当に出来る医療者と環境、
そして、ご家族の協力が必要です。

摂食障害にもいろいろとあって、
軽症の方から重症の方までいます。

軽症の方であれば、
一般的な摂食障害の治療を知っている医者にかかれば
概ね治るだろうと思われます。

しかし、問題は重症の方、なかなか治らない方です。

この重症の方を治すポイントは、
食べるだとか体重を増やすだとか、
そうした表面的な治療のレベルを超えて、
そのパーソナリティの心の問題に対する
アプローチを行うことにあります。

しかし、このパーソナリティの心の問題への
アプローチに関する治療理論を書いた
本や論文などは見たことがありません。

そこから予測されることは、
おそらくかなりの病院で、
重症例の方は治っていないのだろうということです。

実際、私自身もこの病院に来て、
今の治療理論を見出すまでは同じでした。

私は、幸運にもこの恵まれた環境の病院で、
縁あって出会ったかけがえのない摂食障害の患者さんたちと、
徹底的に治療に関わらせてもらうことが出来ました。

その中で、
このパーソナリティの心の問題へのアプローチの方法が
見えてきました。

それが結果に結びついているのだろうと思います。

その方法論については、
まだ書くだけの時間が持てなくて、
まだブログにも掲載していませんが、
今年度中には書かせていただきたいと思っています。

結論として、
私も全国の全ての摂食障害を診る医療機関を
知っているわけではありませんが、
学会発表などを見る限りでは、
愛さんと同じような気持ちを持っています。

でも、全てを知っているわけではないので、
ブログの中ではそうしたことを言えず、
医療機関については一般的な意見に終始したわけです。

私自身、全国の、
いや全世界の苦しんでいる摂食障害の患者さんに
関われないことを辛く思います。

実際、どこまで良くできるかを
100%保証はできませんが、
おそらくかなり高い確率でよくなっていただけるだろう
と思われるこのダイヤモンドの心を引き出す治療理論
全ての患者さんに実践できないことを辛く思います。

こうした思いから、
私はこのブログを書き始めました。

ここに書いた一行の文章でも二行の文章でも、
患者さんやそのご家族の方のお役に立てれば、
あるいは医療者に気付いていただき実践していただければ
と思っています。

その効果は私の病院で実証済みです。

本当に申し訳なく思いますが、
私がお話できるのはここまでです。

いずれこのブログの続編を書きますが、
そうした治療が少しでもお役に立てることを
願っています。

posted by ちーひめ at 01:21 | Comment(2) | 質疑応答

小児の摂食障害:病院の選び方

質問 by autumnさん、

去年の夏、娘を拒食で死なせるところでした。

今も大きな病院の小児科に入院中ですが、
12月ごろ復活しかけたのに、
2月から急に食が細くなり、また体重が落ちています。

今は12歳なのに、
永久歯がぐらついてきているようです。

主人は、中学三年間は入院で、と言いますが、
私はとりかえしのつかない後遺症が、と思ってしまいます。
精神科的フォローはありません。

今の病院でいいかどうか・・・。


泉先生のお答え:

autumn様、

とても辛い気持ちはお察しします。

わが子であれば、耐え難い思いだろうと思います。

詳細はわかりませんが、
まずは身体的回復(具体的には体重の回復)を図り、
成長や身体面への影響を最低限にとどめることが
優先されると思います。

この点については、
きちんと栄養補給をしてくださる病院であれば、
どこでもある程度、良いのではないかと思います。

ただ治療の中で
一向に身体的な回復をもたらすことが出来ない、
あるいは、一旦、体重が回復しても
また減ってしまうといったことを繰り返しているようであれば、
他の病院にかかる方がよいかもしれません。

そのときの基準は一般的には、
小児心身症を専門とされ、
摂食障害をよく診ている先生に診ていただくことです。

例えば、摂食障害に関する論文や本を
書いている先生などがいれば
ひとつの目安になるだろうと思います。

posted by ちーひめ at 07:13 | Comment(0) | 質疑応答

拒食症・過食症:湖面の波紋の原理

質問 by 匿名さま:

湖面の波紋の原理
心にぐさりと突き刺さり、
まさに22年間自分に巣食っているのはこれだ
と思いました。

拒食と過食をさまよい、
27キロと67キロを行ったり来たりを繰り返しましたが、
平均体重まで来て落ち着いたところで
結婚、妊娠、出産をしましたが、
5年前に再発してしまいました。

また痩せが始まりました。
実は妊娠出産中には治ったように思っていましたが
心の中から体重やカロリーのことが消えたことは
一日もなかったのです。

忙しさで火種が
小さく小さくなっていただけだったのです。

そして、再燃してしまった。

私はもう、完治は無理なのでしょう。
今心療内科にかかっていますが、
あまり変化がありません。

千葉県にいい病院はありますでしょうか?


泉先生のお答え:


一般的に、このご質問に対する回答として、
いろいろな考えがあるだろうと思います。

ただ私が思うには、
あなた自身が今、自分の問題に気付き、
治したいという思いがあるのであれば、
完治する可能性を秘めていると思います。

千葉県にどこかよい病院はないかということですが、
残念ながらわかりません。

この湖面の波紋の原理すら、
その内容を知ると、「なるほど、そうかもしれない」
と思うかもしれませんが、
実はまだ多くの治療者らに気付かれておらず、
この原理に気がつかず、
治療に悪戦苦闘していることが多くあると思います。

治療的に大事なのは、
まずどのような人生を選ぶかということです。

病気と付き合いながら、
病気に囚われた人生を生きるのか、それとも、
病気の世界から離れ、
本当の自分に目覚めた生き生きとした人生を生きるのか、
常にこのどちらの人生を選ぶのかを
よく心の腑に落としてほしいと思います。

次に、心の問題は、
具体的な行動をすることによって治すことです。

例えば、あなたにとって、
45kgという体重は問題のない体重であったとしても、
もし45kgという数値にこだわってしまう心があれば、
その心を治すためには45kgという数値を超えて、
46kgや47kgにして、まずは1ヶ月程度を過ごし、
この45kgを超えた体重を体感し、
受け入れる時間を過ごしてみることです。

治療の総論は、こうしたことです。

私の述べている治療論には、
おそらくこれまで誰も述べていない
新しい視点がいくつもあります。

ですから、このブログに書いてあることと
全く同じ治療を出来る病院は、
多くの心療内科、精神科の先生方に
この内容が伝わらない限り、残念ながら、
殆どないだろうと思われます。

本来であれば、論文発表することによって
多くの医療者に知っていただけるように
努力すべきだと思うのですが、
日々の診療に追われる中、
そうした論文を書く余裕がなく、
それでも少しでも早く知っていただこうと
このブログを作っています。

ここに書いてある内容が少しでも多くの方々に広がり、
より実践的な治療につながることを
いつも強く願っています。
posted by ちーひめ at 14:33 | Comment(4) | 質疑応答

拒食症の反動から過食嘔吐に。自分で治したいのですが。

質問 by あき子さん:

私は中学生の頃に拒食症になり、
生理も止まり身長も止まってしまいました。

その後、拒食症は治ったのですが
その反動で過食症が始まってしまいました。

最近一人暮らしを始めたら、
過食が余計にひどくなってしまい、
毎日食べては嘔吐の繰り返し状態です。

もう8年間くらい過食と嘔吐の癖が治りません。

病院に通う程ではないと自分では思っていて
自分自身の力で治そうと思っているのですが、
なかなか難しいです。

どなたかアドバイスがあったらお願いします。


いずみ先生のお返事:

あきこさんが言われているものが癖としても、
過食症という病気としても、いずれにせよ
治すことはとても難しいものです。

なぜ、これが過食症という“病気”だ
と言われるのか。

それは“病気”というものは、
自分自身の力だけでは
コントロール出来ないものだからです。

もし、本当に治そうと思うなら、
もちろん治療者にもよりますが、
やはり治療者の援助を受けるのが良いと思います。

それでも、
自分自身の力だけで治そうと思われるのなら、
パンフレットに書いてある
治療論を試みて下さい。

それで治せないときには、
素直に誰かの援助が必要なのだと認める勇気も
大切だと思います。

posted by ちーひめ at 23:03 | Comment(3) | 質疑応答
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