治療論(2)ダイヤモンドの心を信じる:摂食障害(拒食症・過食症)治療の前提条件

摂食障害(拒食症・過食症)の
治療に入るための前提条件として、
「ダイヤモンドの心を信じる」ということがあります。

これは、どのような治療論でも
述べられていないことかもしれませんが、
最も重要なことです。

「ダイヤモンドの心を信じる」とは、
その人に本当の自分の心があると信じることです。

「それは、健康的な心のことですか」
といった質問をする方もいますが、
健康的な心という表現では不十分です。

もっと積極的な人間の持つ
最も価値ある素晴らしい心のことです。
その心は周囲に人に輝きを感じさせ、
必ず主体性を持っています。

すなわち、摂食障害(拒食症・過食症)の人の心の奥に、
ダイヤモンドの心があると信じるということは、
良くなってくれば必ず、
そのダイヤモンドの心が顕現化してくると信じていることです。
そのイメージを持てるということです。

明るく、正直で、感謝の思いに満ち、
自分の生きる道を主体的に自ら見つけて力強く歩み始める、
そうした姿こそが本来の姿であると信じることです。

治療者自身が自分の絶望と戦うこと:摂食障害(拒食症・過食症)患者さんが、病気の自分、偽りの自分を乗り越えるための手助けをする視点

治療経験を積み重ねると
徐々に信じられるようになりますが、
基本的に、関わる人たち自身、
自分自身と戦わなくてはなりません。

「このままずっと治らないんじゃないか」
「やっぱりこの子は、どうしようもないんじゃないか」

関わる人たちが、そうした疑いや絶望の心と戦うことです。

これは厳しい戦いです。

しかし、最も難しい摂食障害(拒食症・過食症)の場合、
関わる人たちがこの戦いを乗り越えなければ、
患者さん本人自身も病気の自分に打ち勝ち、
偽りの自分を変えていくことは難しいだろうと思います。

どれほど治療が難航しようと、
決して見捨てず、あきらめない。

その心の問題を見つめ、
それぞれにあった治療法を試行錯誤し、創意工夫し続ける。

そうした姿勢によってのみ、
治っていく人たちが多くいるのです。

今から述べる治療論も、
こうした姿勢がなければ、単なる技法にとどまってしまい、
その成果は半減してしまいます。

患者さんの中にある、ダイヤモンドの心を信じ、
どのようなことがあっても絶対に見捨てない、あきらめない。

その可能性を信じ、
ダイヤモンドの心の持つ主体性を引き出せば必ず治る
と信じ続ける。

こうしたことができているかどうか、
治療が行き詰ったときに関わる人たち自身が、
自分に問わなくてはならない視点です。
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。